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出典: ©INTERNATIONAL FIGURE SKATING 1994-2020 |
もう一人、印象深いカナダ・ケベック州・モントリオール出身のフィギュアスケート選手のジョアニー・ロシェットが銅メダルを取ったことです。
日本人だったら外国人の銅メダリストなどは忘れてしまいそうですが、フリープログラムの2日前に彼女の母親が心臓発作で他界したニュースをメディアで知らされたので、その当時はグローバルニュースになっていました。
アクセルジャンプを除いたすべてのジャンプをクリーンに飛ぶ選手と言われるだけあって、当時は筋肉ゴリゴリで腕の三角筋のハリや下半身のむっちり感が印象的なのか、日本の一部のファンからジョ兄と呼ばれていたのを思い出します。
ジョアニー・ロシェット 医師
日本のフィギュアスケーターやロシア女子の活用ですっかりジョアニー・ロシェットのことなどは頭の片隅になかったのですが、メディアで彼女がケベック州の介護施設でコロナと闘っている様子を知りました。
これまではモントリオ-ルにあるマギル大学の医学部で学生だったようですが、大転身ぶりに私自身が驚きました。
とは言っても、母親を亡くして2日目に調整してオリンピックに戻って来るメンタルは相当なものです。
オリンピアンというだけで、並みならぬ努力をくぐり抜けて来た猛者ですから、北米でも最高学府とも言われる医学部を卒業するのも不思議だと思いません。
メディアに向けたコメントも神対応で相変わらずジョ兄ぶりです。
彼女は若くて健康でもリスクがあることは知りつつ、問題のある介護施設で働くことに関して恐れはなく、人手不足の介護施設自体が恐ろしいと言っています。
介護施設 人手不足 人災
ケベック州の介護施設ですが、人手不足と人災で大問題になっています。
1000人手不足ですが、経験のある医療従事者がコロナに感染してしまうことや疲弊して辞めてしまうこともあり、ルゴール首相が元医療従事者らに戻って来るように呼び掛けても無理でカナダ軍が介入してケアにあたりました。
人災ですが、大量に死者が出た介護施設で被害者遺族がカメラでケアギバーを隠し撮りしていた様子ですが、隔離病棟で脆弱な高齢者患者の前でユニフォームを着替えたり、ケアをした手袋を変えないでマスクを触ったり外したりする様子がメディアで暴露されていました。
こういう状況の中、西アフリカでエボラ出血熱の発生を監督したケベック州の医師、ジョアンヌ・リュー(アジア系)がこのパンデミックに介入して貢献しようしたら、ケベック州保健相のダニエル・マッキャン氏に最初は支援を禁止されてました。
その後、メディア上でケベコワ市民が炎上した後、再びこの州保健相は医師の支援を許可しています。
この裏にケベック州のシステム上の問題があると誰もが気づいています。
今まで、たくさんの医療従事者がケベック州に移民してきました。
しかしながら、いずれもフランス語憲章という壁にぶち当たります。
医療従事者だけでなく専門職に就きたい人は見なケベック州の仏語テスト(専門職用)に合格するか、仏語義務教育(6年)を受けることになるので、コストパフォーマンスを考えて移民した後に数年たったら他州へ移動します。
もともと、その国で高い教育を受けて専門職に付いたりしている人が最低時給で我慢しているとは思えません。
英語なら言語バリアがないので他州へ移動するのが手堅いのです。
ケベック州首相が藁をすがる思いで英語話者と移民の医療従事者(ケベック州や他州で医療プログラムは終わったがケベック州の仏語テスト(専門職用)の試験に合格していな人もパンデミックの間は働けるからと呼びかけました。
パンデミックの間!?
こんな条件を付けて働きたい人がいるのだろうか?
みんな工場に働いていたり、タクシードライバーや工事現場に働いて給付金もらっていた方が全然ましだというコメントで炎上していました。
私自身、普通にこっちで暮らしていて何人の元医師、元看護士、元エンジニア、元教師、元弁護士などという移民に出会って、最終的にケベック州にバイバイして去る人を見て来ました。
コロナ拡大「第2波」が来る前に片付けられる問題ではないと思います。
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